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横顔の描き方『パーツごとに学ぶ顔、体、服の描き方』

横顔の描き方『パーツごとに学ぶ顔、体、服の描き方』

本記事は書籍『ちょこっと人体解剖学で圧倒的にうまく描けるキャラクターデッサン』の抜粋記事です。 ソーテック社様から、チャンネル登録者数12万人越えのお絵描きYouTuber みにまる先生が、キャライラストの描き方から練習方法まで丁寧に解説した本の一部をご提供いただきました。

今回は4章 SECTION 01 横顔の描き方と比率の内容を紹介します。


イラストに使うときの顔の比率

1章 SECTION 03【全身のランドマーク】(P12)でも頭蓋骨について少し触れましたが、ここではイラストにする場合の顔の描き方を解説します。私の好みの顔のバランスで解説するので、ここでの解説は参考程度にしていただき、各自でお好みの顔のバランスを探ってみてください。

実際の頭蓋骨を参考にすると

本物の頭蓋骨を参考にすると、人間の目は頭全体の真ん中あたりの高さに位置します。しかしそのままイラストにすると、目が大きくデフォルメされたイラストや漫画では、バランスが不自然になりがちです。もちろん作風によってはリアル寄りが好きな人もいるので、間違いではありません。

ただ、右の絵のようなイラストや漫画によくある大きい目のイラストを描きたい場合は、別の比率で描いた方がよさそうです。

目が大きい顔のイラストを頭蓋骨に忠実に描くと、バランスが若干不自然になる

横顔の描き方と比率

横顔の方がパーツのバランスを説明しやすいので、まずは横顔から解説します。

①アタリを描く

縦に長い箱の中に、脳頭蓋に見立てた丸いボールを描きます。ボールの下にアゴがくるので、箱の左下の角は最終的にアゴになります。個人差があるので、精密さにこだわる必要はありません。

②補助線を描く

箱の縦横半分の位置に補助線を描き、その横半分の位置に上まつ毛がくるように目を描きます。
目の高さと同じくらい離して眉を描きます。

③鼻を描く

眉とアゴの中間に鼻の付け根があり、少し上に鼻の頂点があります。

④口を描く

鼻の頂点とアゴの中間が口の高さです。そして、鼻とアゴを真っすぐつないだ線を「Eライン」と呼びます。
欧米人の様に鼻が高いと、Eラインに唇がくっつきません。鼻が低かったり、唇がとがっていたりするとEラインにくっつきます。

⑤美しいとされるバランスに整える

また、箱からはみ出している部分が眉間、鼻、上唇の3つということに注目してください。一般的にはこれが美しいとされるバランスです。女性はさらにアゴを小さくしたり、奥に引いたりしてもいいでしょう。

⑥額の生え際・耳・下アゴを描く

額の生え際はアゴ・鼻・眉とだいたい同じ間隔です。耳は横顔の中心、上まぶたくらいの高さに斜めについています。メガネを描くと、耳がそこにないとつるがかからないことが分かるでしょう。耳から伸ばしたラインとアゴから伸ばしたラインを繋いで下アゴの輪郭を決めます。
交点が下唇くらいの高さを基準に、上だと細身、下だとガッシリした印象になります。

⑦後頭部を描く

耳の後ろから頸椎が背骨へ、胸鎖乳突筋が鎖骨へと続いていることを把握したら首の輪郭が描けます。首は垂直ではなく斜めに生えているので、耳たぶから垂直に下りたあたりに鎖骨の中心があります。後頭部の最凸部は眉の高さくらいです。

⑧完成

線を整えるとこんな感じです。下アゴのラインと輪郭は別に考えましょう。肉付きがいいと下アゴの下の輪郭が厚くなります。

いろいろなパターンの横顔

この横顔の比率を基準に、いろいろなパターンの横顔を描いてみました。

青年男性は目を細く、アゴを前向きにしっかり描いて女性と差別化します。少年の場合は女性や子どものバランスで描くのがよさそうです。
子どもは目を大きく、アゴの位置を上にして小さくしています。唇をしっかり描かない表現は、幼い印象を強めます。
10代くらいの女性もアゴを小さめにしています。いわゆる萌え系イラストに多いバランスです。

このように、最初の箱のグリッドに無理に合わせる必要はありません。箱のグリッドは、自分の好みを探りつつ柔軟に変えていくための基準にしてください。常にEラインを意識すると、きれいな横顔になります。


以上、 ソーテック社より『ちょこっと人体解剖学で圧倒的にうまく描けるキャラクターデッサン』(著: みにまる)の抜粋記事でした。Amazonなどで絶賛発売中です。
ちょこっと人体解剖学で圧倒的にうまく描けるキャラクターデッサン by みにまる