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メインを引き立てる盛り付け(=演出)を考えて! 『演出の意図を考える』

メインを引き立てる盛り付け(=演出)を考えて! 『演出の意図を考える』

本記事は書籍『さいとうなおきの超もったいない!イラスト添削講座』の抜粋記事です。
イラストレーターのさいとうなおき先生が「キャラクター」の視点で添削し「イラストを上達させるテクニック」を解説したいくつかのページををご提供いただきました。


お悩み相談7:素人くささが否めない!

相談内容: 絵のタイトルは『迷い道』。近未来的な世界観で、空飛ぶホウキを持った女の子が道に迷って、ルートを探しがてら休憩中というシチュエーションです。どうにか完成させましたが、素人くささが抜けない点が気になっています……。(P.N.セフィさん)

BEFORE

P.N.セフィさん

GOOD!

  1. 帽子のデザインが秀逸!: 和傘っぽさを取り入れつつ、近未来のSFチックな魔女の帽子になっていますね。
  2. 和風SFテイストでかっこいい!: 帽子だけでなく、全体的にキャラデザインがすごくイケてる! 素晴らしいです!

NOBISHIRO

  1. 地図への描き込みが不十分: 地図の中身を充実させることで、テーマが伝わりやすくなり、クオリティーもアップします!
  2. デザインのよさが活かしきれていない: 構成や構図、色によって、かっこいいキャラデザインが邪魔されている感じ。特に座っている地面の色が原因で、重たい雰囲気になっています。

メインを引き立てる盛りつけ(=演出)を考えて!

AFTER

【気まぐれ添削80】より
  1. 高所にいるので、髪の毛が風で乱れている雰囲気があると自然
  2. キャラクター性に合わせ、あえて片方の目を隠す
  3. ひもが舞っている描写で、見ている人に風を感じさせる
  4. 足の色が暗すぎたので、反射光によって明るく

POINT1【盛りつけ1】座っている場所とコンセプトをリンク

メインディッシュの料理がおいしくても、お皿や盛りつけがイマイチだったら、プロの店で出される料理には見えないですよね。絵でも同様に「素人くささ」を感じてしまう理由は、メインディッシュ(=キャラクター)を引き立てる盛りつけ(=演出)になっていないことなのです。この絵は、空飛ぶホウキで飛んできたキャラクターがひと休みして、地図を広げているというシチュエーション。ということは、高い建物の縁に座っているところだと想像できます。でも、現状では座っている場所が重たいイメージの色で幅もある上、人物の配置も下なので、重心もズーンと下。これでは、見ている人は低い場所だと想像してしまいます。黒から白に色の変更と、面積を小さくして軽いイメージにしたら、人物ごと上へ移動。構図を上げれば、高いところだと伝えることができます。

POINT2【盛りつけ2】背景とアイテムをリンク

「空を飛んできてひと休み」というシチュエーションを強化するため、空間の広がりを表現しよう

雲は手前を大きく、奥へ行くにしたがって細く薄い状態に。遠近感で、よりダイナミックに空間の広さを演出できる

奥に建物を描き入れて、さらに高い場所だという表現を補強。色の濃淡を調整することで、ビル自体の遠さや、ビル同士の遠近感も表現できる

POINT3【盛りつけ3】テーマとアイテムをリンク

キャラクターが見ている地図は、タイトルの『迷い道』に直結した大切な部分。あまり描き込めていないのがすごくもったいないです。地図をかっこよくすることで、テーマが伝わりやすくなり、絵がグーンとよくなりますよ。

地図の面積を大きくし、中身のマップや表示などを細かく描写することで、「地図を確認している」感をアップ

地図以外の周辺の情報も表示している画面にし、見た目を賑やかにすることで絵の完成度をアップ

以上、『さいとうなおきの超もったいない!イラスト添削講座』(著:さいとうなおき)の抜粋記事でした。 Amazonなどで絶賛発売中です。
さいとうなおきの超もったいない!イラスト添削講座 by さいとうなおき