横顔イラストが描けないのは、輪郭のせいではない|先に取るのは“頭の奥行き”
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横顔を描くと、頭が小さくなる。 輪郭を何度なぞり直しても決まらない。 おでこと鼻とあごのラインが、どうしても不自然になる。
どれも同じ原因から起きています。 輪郭から描き始めているからです。
なぜ横顔だけ、急に描けなくなるのか?
横顔が崩れるのは、輪郭から描き始めているからです。 ここで言う輪郭とは、おでこから鼻、口、あごへと続く顔の前面のラインです。 正面の顔なら、この1本でだいたいの形が決まります。
横顔は事情が違います。 画面の大半を占めるのは、後頭部と側面、耳のまわりです。 この3つをまとめて「頭の奥行き」と呼びます。
奥行きが決まらないまま前面のラインを引くと、頭の大きさが決まりません。 耳の場所も後回しになります。 だから、なぞり直すほど迷います。
それでも練習の意識は、どうしても前面に集まります。 目も鼻も口も、前面にあるからです。 POSEMANIACSの検索データでも、顔まわりの悩みで横顔は最大級です。 同じところで止まっている人は、たくさんいます。
うまくいかない理由は、才能やセンスではありません。 描く順番が、1つずれているだけです。
講座の実演画面にも、その順番が残っています。
黒い線の下に、ピンクの丸とガイド線が透けて残っている
黒い線で引かれた横顔の下に、ピンクの丸とガイド線が透けています。 顔の前面のラインは、この丸と線が決まったあとに引かれています。
なぜ「輪郭から」描き始めたくなるのか?
顔の情報が、見た目のうえでは前面に集まっているからです。 目も鼻も口も前面にあります。 だから、前面をなぞれば顔になると感じます。
ところが講座では、顔を単純化するときの形そのものが違うと説明されています。 『画力向上サイクルを作る!人体イラスト完全マスター講座』では、まずこう言われます。
「顔を単純化するときは球体よりも箱に近いイメージで考えてもらった方がいいと思います」(三毛みかり)
理由は2つ挙げられています。
「一つは箱の方が奥行きっていうのが捉えやすいからということと、もう一つは人の顔って意外とそんなに丸くないからなんですね」(三毛みかり)
2つ目は、自分の顔で確かめられます。
「実際に人間の顔の形が側面が結構平らになっているからなんですね。皆さんぜひ自分の顔の側面っていうのを触ってみてください。意外と丸くなくないですか?」(三毛みかり)
触ってみると、側面が平らなことが分かります。 顔は、前面のラインだけでできた平らな図形ではありません。 平らな側面と奥行きを持った、箱に近い立体です。
同じ横顔でも、最初に引く線が違うと詰まる場所が変わります。
輪郭を先に引くと、頭の大きさと耳の位置が最後まで決まりません。 だから崩れたときに、どこを直せばいいのか分からなくなります。
先にまん丸を描くと、頭の大きさと耳の位置が先に決まります。 崩れたときは、丸か耳のどちらかを描き直せば済みます。
横顔は「頭の奥行き」から組む
横顔とは、頭という立体を真横から見た形を組み立てる絵です。
顔の前面をなぞる絵ではありません。 組み立てる範囲は、頭のてっぺんから後頭部、あご先までの頭ぜんぶです。 だから最初に決めるのは、頭そのものの大きさです。
ここから「アタリ」という言葉を使います。
アタリとは、バランスよく描くために大体の位置を下書き段階で描いておくことです。
これから出てくる3つの手順は、すべてアタリの中の作業です。
手順1: まん丸を描く
ここで、引っかかる人がいると思います。 顔は丸くないという話をしたのに、まん丸から描くのか、と。
このまん丸は、顔の形ではなく、頭の大きさを決めるための下書きです。 平らな側面や、鼻とあごの凹凸は、丸が決まったあとで作ります。 先に決めたいのは、頭がどれくらいの大きさかという1点です。
講座でも、横顔だけは描き始めが違うと説明されています。
「まず横顔の場合はまん丸を書きます」(三毛みかり)
丸の形は、はっきり念押しされています。
「これが頭の形になるので長い丸とかじゃなくてまん丸です」(三毛みかり)
縦にも横にも伸ばさず、まん丸のままにします。 この丸の大きさが、そのまま頭の大きさになります。
中央にあるのは赤いまん丸ひとつ。右に「まん丸を描く」と書かれている
手順2: 顎を真下に付け足す
次に、丸にあごを足します。
「顎をですね、この丸の左側一番丸の出っ張ってるところから真下に下ろします」(三毛みかり)
丸のいちばん出っ張ったところから、真下に線を1本下ろします。 その線の先に、あごを付けます。
まん丸だけを見ると横に丸いままですが、あごが付くと縦に伸びます。 横顔が縦長に見えるのは、この形のおかげです。 顔の前面がどこに来るかも、ここで丸に従って決まります。
手順3: 耳の位置を取る
耳の置き場所は、最初に描いたまん丸が決めます。
「この最初に書いた丸の真ん中に線を引っ張ったところからこう出てくる感じです」(三毛みかり)
前後の位置は、丸の真ん中です。 高さの基準も、同じ丸から取れます。
「目の高さが耳の最初の上側の付け根になります」(三毛みかり)
前後は丸の真ん中、上下は目の高さ。 この2つで、アタリの耳は置けます。
ここまでで、丸とあごと耳が決まりました。 ここからが、顔の前面のラインです。
講座では、その目安としてEラインが紹介されます。
「Eラインっていうのはですねこの鼻から顎をつないだラインこれがEラインと言われてるそうなんですがここのねラインからこの口が出っ張らないこっちに出っ張らないで同じライン上にあるかもしくはちょっと引っ込んでるぐらいだと美しいっていう風に言われてます」(三毛みかり)
鼻とあごを結んだラインに対して、口をどこに置くかという見方です。 三毛みかりさんも「言われてます」と伝聞の形で紹介しています。 Eラインは、絵柄に合わせて使う一般的な目安です。
首の位置も、頭の重さから決まります。
「重い頭を支えているので頭の真ん中あたりを通っていくようなそんなイメージで首の位置をとってあげると分かりやすい」(三毛みかり)
輪郭は、最後に付いてきます。 そして、ここで輪郭の線が効いてきます。 鼻とあごのラインに対して口をどこに置くか、という判断です。 輪郭をなぞってきた練習は、この場面で使えます。 順番があとになるだけです。
描いた横顔のどこがずれているかは、耳で分かる
ずれを探す場所は、耳です。 目と耳の距離は顔の向きで変わり、横顔でいちばん長くなります。 だから耳の位置は、頭の奥行きが取れているかをそのまま映します。
『「イラスト講師たか」のオンラインお絵描き塾』
でも、この距離が説明されています。 横顔からさらに後ろへ回していくと、この距離は縮んでいきます。
「おでこと耳の距離または目と耳の距離もそうなんですけども徐々に狭くなっていきます」(イラスト講師たか)
その目と耳の距離について、こう言われています。
「目と耳の距離もそうですねここの距離も横顔が一番距離が長くなる」(イラスト講師たか)
逆に、横を向くほど縮むものもあります。
「横顔になってくるとじゃあ正面と違って何が違うかっていうとまずね目の幅ですねこちらはかなり短くなりますので気をつけましょう」(イラスト講師たか)
目の幅は縮み、目と耳の距離は伸びます。 横顔では、目と耳の距離がいちばん長く見えます。 そのぶん、頭の奥行きを意識しやすい向きです。
確かめるのは、3つの位置だけです。
目の高さ=頭のてっぺんからあごまでの半分
耳の上の付け根=目の高さ
耳の前後=頭の丸の真ん中
1つ目は、講座でこう示されています。
「目の高さは顔の頭から顎までの半分の位置」(三毛みかり)
デフォルメの絵柄なら、この半分より少し下でもかまいません。
「目の位置は正面でやった時と一緒頭から顎までの中心から、デフォルメだったらちょっと下ですね」(三毛みかり)
画面下の字幕は「耳の前後の位置は、頭の丸の半分から描くイメージ!」
3つのうちどれかがずれていたら、戻る先は丸か耳です。 輪郭を引き直す前に、その2つを見ます。
この「奥行きから組む」やり方は、講座では順番に積み上がります。 正面(顔1)から始まり、斜めと横(顔2)へ進みます。 そのあとに、目・鼻・口・耳(顔3〜4)が来ます。 実演で見られるのは、三毛みかりさんの
『画力向上サイクルを作る!人体イラスト完全マスター講座』
です。
上達への最初のステップ: アタリだけの横顔を3体
まずは、アタリだけの横顔を3体描きます。
まん丸を1つ描く。
丸のいちばん出っ張ったところから、真下に線を1本下ろす。
その線の先にあごを付ける。
頭のてっぺんからあごまでの半分の高さに、目の高さの線を引く。
丸の真ん中・目の高さに、耳の上の付け根を置く。
この練習で気にしないことを、先に決めておきます。 輪郭・目・鼻・髪は1本も描きません。 線のきれいさも、似ているかどうかも見ません。
そうする狙いは、意識を奥行きだけに向けることです。 丸とあご、そして耳の3つに、注意を全部使います。
なぜ奥行きだけに向けるのか。 輪郭を描き始めると、意識は顔の前面へ戻ります。 前面に戻ると、頭の大きさと耳の位置は後回しになります。 横顔が崩れるときも、同じことが起きています。
3体でも15分ほどで終わります。 終わったら、3体を並べて丸の大きさと耳の位置を見比べてください。
この3体は、型を覚えるための3体です。 『「イラスト講師たか」のオンラインお絵描き塾』には、課題添削の回があります。 そこで顔の角度について、こう言われています。
「顔としてはね正面顔斜め顔横顔は暗記でその3つの絵ができるようになったらあとはどういう角度で描きたいかっていうのは細かく回していく」(イラスト講師たか)
横顔は、暗記していい3つの型の1つです。 同じ手順を3回なぞることが、そのまま型の暗記になります。
まとめ: 横顔は暗記していい型の1つ
横顔が崩れる原因は、輪郭から描き始める順番。
手順は3つ。まん丸 → 真下の線とあご → 耳(前後は丸の真ん中、上下は目の高さ)。
目の高さは、頭のてっぺんからあごまでの半分。
まずはアタリだけの横顔を3体、仕上げずに描く。
正面・斜め・横の3つを型として持てば、あとは描きたい角度に合わせて調整できます。
覚えた内容は、講座の先の章でも使われます。 別の章では、首の注意点としてこう言われます。
「注意点1つ目首は斜めについているということです」(三毛みかり)
そして、その説明はこう続きます。
「これは横顔の描き方の時に前にやったと思うので」(三毛みかり)
横顔の章で扱った内容が、講座の先の章の前提になっています。
この記事で出したのは、横顔1角度ぶんの手順です。
『画力向上サイクルを作る!人体イラスト完全マスター講座』
(講師: 三毛みかり)は、顔だけでなくキャラクター全身まで同じ考え方で積み上がります。 販売ページには、講座のゴールがこう書かれています。
「キャラクター全身の描き方を専門校レベルで基礎からしっかり固めることができます」(『画力向上サイクルを作る!人体イラスト完全マスター講座』販売ページ)
横顔でつまずいた理由が分かった今が、その入り口です。
引用の出典は2つの講座です。 『画力向上サイクルを作る!人体イラスト完全マスター講座』(講師: 三毛みかり)。 『「イラスト講師たか」のオンラインお絵描き塾』(講師: イラスト講師たか)。