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厚塗りとは?アニメ塗りとの分かれ目は、線画を最後まで残すかどうか

厚塗りとは?アニメ塗りとの分かれ目は、線画を最後まで残すかどうか

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厚塗りに挑戦すると、形がぐちゃぐちゃになる。 色が濁って、汚くなる。 線画がないと、どこに何を描けばいいか分からない。

どれも同じ原因から起きています。 線を描かずに色から形を作る、という順番で描き始めているからです。

講座の実演から、同じ1枚の絵を2枚並べます。

影の境目が、はっきり分かれたまま残っている

1枚目と同じ絵。仕上げの加工まで進んだ画面

上の2枚は、同じ1枚の絵です。 1枚目が塗りの途中で、2枚目が仕上げの加工まで進んだところです。 1枚目だけを見たら、アニメ塗りの絵に見えるはずです。

なぜ厚塗りだと、形が崩れて色が濁るのか?

線を描かずに、色から形を作ろうとしているからです。 線がないまま色を置くと、どこが輪郭なのかが決まらないまま、色の面積だけが増えていきます。 だから形が決まらず、迷って重ねた色も濁ります。原因は画力ではなく、描き始める順番です。

『厚塗りレシピ ~線画から始めるリアルで重厚な厚塗りのやり方~』の冒頭で、講師の桐ヶ谷真さんはこう問いかけます。

「厚塗りというとこんな感じでバーッとベースを塗って色をのせて少しずつ形を作り上げていく そんなイメージがございませんか?」(桐ヶ谷真)

多くの人が思い浮かべる厚塗りが、この言葉のとおりです。 桐ヶ谷さんは続けて、自分もそこから始めたと話しています。

「形は決まらない 色は濁っちゃうしどうしてとすごく悩みました」(桐ヶ谷真)

桐ヶ谷さんは、イラストレーターとしてフリーランスで働く現役のプロです。 そのプロが、線画を描いてきた人間には難しかった、と言っています。

崩れたのは、才能やセンスのせいではありません。 描き始める順番が1つ違うだけです。

描き込むほどのっぺりしてしまう症状がすでに出ている人は、

厚塗りがのっぺりする原因の記事

が近いです。

なぜ「厚塗りは線を描かない」と思ってしまうのか?

完成した厚塗りの絵には、線が見えないことが多いからです。 線を描いていないのではなく、最後まで残していないだけです。 線は途中まで確かにあって、塗りの中に描き直されていきます。

厚塗りを前提にすると、線画の描き方そのものが変わります。

「厚塗りって塗りで結局形を整えていくのですがその線画がねしっかりきれいに一本の線で描かれているとなんか気持ち的にその線から絶対にはみ出したくないみたいな気持ちが出てきてしまう」(桐ヶ谷真)

きれいな一本線で描いてしまうと、その線を守ることが目的になります。 だから桐ヶ谷さんは、線をわざと決めきらない描き方をすすめます。

「あえてなんか、どこが線画の位置なのかがわからないような、シャッシャッシャッシャッシャッ状態で書いてください」(桐ヶ谷真)

シャッシャッというのは、どこが線なのか分からなくなるくらい、短い線を何度も重ねた状態のことです。

では、その線は最後にどうなるのか。 桐ヶ谷さんは、線を色で引き直す考え方をこう説明しています。

「鮮やかな線画を描いてから暗い色で引き締めるっていうのは鼻の線画とかと同じ原理ですね。」(桐ヶ谷真)

黒い輪郭だった線が、鮮やかな色と暗い色の塗りに変わります。 完成した絵に線が見えないのは、線が塗りに変わったあとの姿だからです。

そして、線と塗りが1枚になる操作には名前があります。 結合とは、別々になっている線画のレイヤーと塗りのレイヤーを、1枚にまとめることです。

厚塗りとアニメ塗りの分かれ目は、線画と塗りを結合するかどうか

分かれ目は、工程の1点にあります。 線画を最後まで残せばアニメ塗り、途中で塗りと結合すれば厚塗りです。

アニメ塗りとは、線画レイヤーを最後まで残し、線の内側を塗り分けて仕上げる描き方です。 厚塗りとは、線画と塗りを途中で結合し、そのあとは塗りで形を整えながら仕上げる描き方です。 どちらも、線をどこまで残すかが違うだけです。

この講座は、その厚塗りを線画から始める方法で進みます。

「なので今回は線画を作る方法で厚塗りをしていきます」(桐ヶ谷真)

線画を描き、下塗りをして、結合し、そこから厚塗りに入ります。 工程は、結合の手前と、結合そのものと、結合したあとの3つに分かれます。

途中までは、アニメ塗りのつもりで影まで作る

結合の手前は、アニメ塗りと同じ作り方で進みます。 桐ヶ谷さんは、肌の下塗りの段階のイメージをこう説明しています。

「アニメ塗りってあるじゃないですか アニメ塗りをしていくようなイメージですね」(桐ヶ谷真)

影は3段階くらいまで作ります。

「そのアニメ塗りで3影くらいまで作るようなイメージで塗っていくと 後の厚塗りがきれいにしやすいです」(桐ヶ谷真)

画面下の文は「アニメ塗りのような、くっきりとした影を3段階くらいで塗っていきます。」

この段階では、影の境目をはっきりさせたまま置いていきます。

「厚塗りっぽくぼかして塗らなきゃとかは一切考えなくて大丈夫です」(桐ヶ谷真)

厚塗りらしい塗り方を使うのは、この先です。

結合は、厚塗りに入る直前に置かれている

影まで作り終えたところで、線画と塗りのレイヤーを結合します。 講座でも、厚塗りに入る直前の工程としてここが置かれています。

「今回は塗りと線画の結合をしていきます」(桐ヶ谷真)

画面右上のバナーは「塗りと線画の結合・パーツ分け」

線画のレイヤーを最後まで残せば、そのままアニメ塗りとして仕上がります。 ここで結合すれば、厚塗りに入ります。 分かれ目は、この1つの操作です。

結合したあとは、中間の色をなじませて形を保つ

結合したあとは、塗りの性格が変わります。 桐ヶ谷さんは、ここで迷いやすいイメージを2つ挙げています。

「なんか厚塗りって上からいっぱいね色を重ねていくようなイメージあると思うんですがこれをやっていくとだんだんあれ元の形 どんな形だったっけみたいな」(桐ヶ谷真)

もう1つは、なめらかにしようとする方向です。

「とりあえず厚塗りって滑らかに書いた方がいいからこの影をちょっとぼかしたりなじませたりして塗っていくぞ」(桐ヶ谷真)

「元の形がわからなくなって迷子になっていくんですね」(桐ヶ谷真)

講座で実演されるのは、置いてある色の中間をスポイトで取って、その色を伸ばしたり縮めたりする塗り方です。

「こうやって伸ばしたり縮めたりでなじませていくと すごく形を変えないまま厚塗りができます」(桐ヶ谷真)

形はそのままで、境目だけがなじみます。

結合したあと、形を保ったまま塗り切る色の判断と、肌や目、髪、服、手、アクセサリーの部位別の実演は、

『厚塗りレシピ ~線画から始めるリアルで重厚な厚塗りのやり方~』

で順に積み上がります。

上達への最初のステップ: 描き終わった絵1枚で、結合の先を体験する

用意するのは、描き終わった絵が1枚です。 線画と塗りが分かれたまま残っているものを選びます。

  • その絵のファイルを複製する(5分)

  • 複製したほうで、線画と塗りのレイヤーを1枚に結合する(5分)

  • 影の境目を3箇所選び、中間の色をスポイトで取ってなじませる(15分)

  • 輪郭のうち1箇所を、濃い色で描き直す(5分)

1の複製は、桐ヶ谷さん自身の作法でもあります。

「基本的に何か新しい段階に行くときはすべて複製したもので塗るようにしています」(桐ヶ谷真)

この練習で気にしないことがあります。 きれいに仕上げることと、全部の境目をなじませることです。

狙いは、結合の前と後で塗りの感触が変わるのを、自分の絵で確かめることです。 結合する前は、線の内側を塗り分けていました。 結合したあとは、置いてある色そのものを動かして形を作ります。

元の絵が残っているので、いくらでも失敗できます。 分かれ目の先を一度体験しておけば、次に厚塗りを始めるとき、そこは知っている場所になります。

まとめ: 厚塗りは、線画から始めていい

  • 厚塗りとは、線画と塗りを途中で結合し、そのあとは塗りで形を整えながら仕上げる描き方。

  • アニメ塗りとの分かれ目は、結合するかどうかの1点。

  • 結合の手前までは、アニメ塗りと同じように、影をはっきり分けて作ってよい。

  • 最初のステップは、描き終わった絵を複製して、結合の先を30分だけ体験すること。

形が崩れて色が濁ったのは、線を描かずに色から形を作る順番で始めたからです。

厚塗りは、いつものアニメ塗りの先に、操作を1つ足した場所にあります。 入り口は、いま描いている線画のままで大丈夫です。

この記事で出したのは、分かれ目までです。

線画の作り方から下塗り、結合、部位別の厚塗り、仕上げの加工、逆光の作り方まで、工程の全部を実演で追えるのが

『厚塗りレシピ ~線画から始めるリアルで重厚な厚塗りのやり方~』

(講師: 桐ヶ谷真)です。

引用の出典は『厚塗りレシピ ~線画から始めるリアルで重厚な厚塗りのやり方~』(講師: 桐ヶ谷真)です。

Course this article is based on