しゃがむポーズが不自然になるのは、脚の形ではなく“手前と奥の大きさ”が原因
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しゃがむポーズを描くと、体が浮いて見える。 脚を何度描き直しても、しゃがんで見えない。 資料を見て写しているのに、どこか変になる。
どれも同じ原因から起きています。 手前のパーツと奥のパーツを、同じ大きさで描いているからです。
なぜしゃがむポーズは、描くと不自然になるのか?
脚の形の問題ではありません。 しゃがみは、立ちポーズでは上下に並んでいた足先・膝・腰・頭が、奥行きの方向に折り重なるポーズです。 手前に来たパーツは大きく見えて、奥に下がったパーツは小さく見えます。
ここで、立ちポーズと同じ感覚のまま線を引いてしまいます。 立っている体は、パーツが上下に並んでいるので、大きさをそろえたまま描いても成立します。 その感覚でしゃがみを描くと、手前の足先も奥の頭も同じ大きさになります。 体が奥行きの中に折り重なっているのに、絵の上では全部が同じ距離にあることになる。 これが、しゃがみだけ不自然に見える原因です。
POSEMANIACSに届く検索の言葉を見ていても、しゃがむポーズで困っている人はたくさんいます。 しゃがむポーズを調べる言葉は、特に多く届いています。
うまくいかないのは、才能やセンスの問題ではありません。 手前と奥で大きさを変えるという見方を、まだ教わっていないだけです。
なぜ「脚の形」を直したくなるのか?
資料を見たときに、いちばん目に入るのが脚だからです。 しゃがんだ体では、脚が大きく折りたたまれて、線も複雑になります。 だから直すところを探すと、まず脚に手が伸びます。
「よく見て写す」は正しい言葉です。 ただ、そこで省略されているものがあります。 何を見るかです。
細かい形を追い始めると、絵の中の大きさの配分は視界から外れます。 『即効上達!難ポーズ完全攻略の極意』では、模写のときに起きることとして、こう説明されています。
「慣れないうちなんか特にそうなんですけどもこういったポーズドローイングとかで模写したりとかするときって細かい形取りにちょっと気を取られてしまって全体のバランスを見失っちゃいがちなんですよね」(五七翔二)
見ているものが細部へ寄っていくと、全体は見えなくなります。 脚の線がうまく引けても、絵が良くならないのはそのためです。
同じしゃがみポーズでも、先に直す場所が違うと、詰まる場所が変わります。
脚の形から直すと、大きさの順番が決まらないまま、線だけが増えます。崩れたときに、どこを直せばいいのか分からなくなります。 大きさから直すと、大きさの順番が先に決まります。崩れたときは、大きさの順番だけを見直せば済みます。
大きさは、手前から奥へ順に小さくなる
カメラに近いパーツほど大きく、遠いパーツほど小さく描きます。 その変化は、途中で急に切り替わるのではなく、少しずつ段階的に進みます。 講座では、寝転がった体を例にして、この順番が解説されています。
攻略する題材は2つです。
「1が寝っ転がるポーズ2が腰をひねるポーズということで煽りと俯瞰を意識したポーズを持ってきました」(五七翔二)
その1つめのポーズで見るところが、いくつか挙げられます。
「その次頭部腰回り足先の遠近感というポイントがあります」(五七翔二)
右の「-POINT-」には「頭部〜腰回り〜足先の遠近感。」の行がある
スライドに映っているのは、足先が手前・頭が奥を向いた人体模型です。
「一番近い足先から奥側の頭に向かってグラデーション的にスケール感が小さくなっていくんです」(五七翔二)
足先から頭へ向かって、大きさが段階的に小さくなります。 そうなる理由も、続けて語られます。
「これが遠近感の正体というか原理なんですけどもグラデーション的に変化していくスケール感要はこのパーツって別に同一平面に並んでなくて奥行きの中に並んでいるので大きさの違いって言うのが奥行き感ごとに違ってくるんですよね」(五七翔二)
同じ人の体なのに、大きさを変えて描いていいのか。 ここでつまずく人は多いです。
答えは、変えて描きます。 絵の中の大きさは、体そのものの大きさではなく、カメラからの距離で決まるからです。 体のパーツは1枚の平面に並んでいません。 奥行きの中に、前後にずれて並んでいます。
遠近感とは、手前のパーツほど大きく、奥のパーツほど小さく見えることです。
手前から順に言い直したものが、次の引用です。
「手前から順に言い直すと足先腰回り頭部の順にグラデーション的にスケール感が小さくなっていくのでその遠近感を大事にしましょうというそういったお話です」(五七翔二)
ここから先は、POSEMANIACS編集部の整理です。 講座が攻略する題材は、寝転がるポーズと腰をひねるポーズの2つで、しゃがむポーズは入っていません。 それでも、正面から見たしゃがみでは、足先と膝が手前に来て、腰と頭が奥に下がります。 パーツが奥行きの中に折り重なる並び方は、寝転がった体と同じです。 だから、手前から順に大きく描くという見方は、しゃがみにも当てはめられます。
体が浮いて見えるときは、かかとの形を見る
大きさの順番を直すと、体に奥行きが出ます。 それでも体が浮いて見えるときは、地面に触れている場所を見ます。 足の後ろ端、かかとです。
かかとの描き方には、よく起きる形があります。
「よくやっちゃいがちなのはアキレス腱のこの反ったカーブ反ったカーブのまんまそのままかかとの先まで線をつなげちゃって曲げちゃうこういう書き方よくしちゃうんですけど僕とかは特にでもこうすると実はちょっと解剖学的にはあまりリアリティがないっていう部分があってですね」(五七翔二)
右上の枠に「NG」、手書きの文字は「かかとは こう曲がる!」
かかとの後ろ側には骨が入り込んでいて、そのぶん丸みとボリュームが要る、と説明されています。
かかとには骨があり、その分だけ後ろへ張り出します。 線の引き方も、そのまま言われます。アキレス腱のカーブを途中で止め、その先はかかとの骨が出ている曲線に変える、という描き方です。
覚えることは1つです。
「ポイントは一つなんですけど想像以上にかかとは出っ張ってるよっていうそういった部分です」(五七翔二)
吹き出しの文字は「想像以上に かかとは 出張っている」
自分の足を横から見ると確かめられます。 かかとは、思っているより後ろに出ています。
「なので案外かかとは尖ってるよ出っ張ってるよっていう部分を覚えていくといいと思います」(五七翔二)
実際のモデル写真に線を引きながら、寝っ転がるポーズと腰をひねるポーズの2つを攻略していく実演と、受講者が提出した課題への講評が入った約2時間のアーカイブが
『即効上達!難ポーズ完全攻略の極意』
(講師: 五七翔二)です。
上達への最初のステップ: しゃがむポーズを1体、大きさの順番だけで描く
しゃがんでいるポーズの資料を1つ用意して、次の順で描きます。
ポーズ全体がすっぽり収まる長方形を1つ描いて、縦と横のどちらがどれだけ長いかを見る
足先・膝・腰・頭の4か所に印をつけて、自分から近い順に並べる
近いものから大きく、奥へ行くほど小さく、丸と箱だけで形を取る
最後に、かかとの出っ張りを線1本で足す
1の長方形は、講座でも最初にやることとして挙げられています。
「まるっとすっぽり収まる長方形をまず考えてその縦横比を見てみるといいです」(五七翔二)
資料が手元にないときは、POSEMANIACSの30秒ドローイングが使えます。 3Dモデルのポーズを次々に表示してくれる無料ツールです。
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全部で30分あれば終わります。
この練習で気にしないことがあります。 輪郭のきれいさです。
丸と箱のままで止めて構いません。 決めるのは大きさの順番だけなので、線がきれいかどうかは今日の判定に関係しないからです。 輪郭を整え始めると、また細かい形に目が行きます。
ここを1体分やると、次に描くしゃがみで手の動きが変わります。 描き始める前に、どのパーツを大きく描くかが決まっているからです。 崩れたときも、大きさの順番から見直せます。
まとめ: しゃがむポーズは、手前から順に大きく描く
しゃがむポーズが不自然になるのは、手前と奥のパーツを同じ大きさで描いているから
しゃがみでは、足先・膝・腰・頭が奥行きの方向に折り重なる
絵の中の大きさは、体そのものの大きさではなく、カメラからの距離で決まる
体が浮いて見えるときは、かかとの出っ張りを足す
大きさの順番は、しゃがみのためだけの手当てではありません。 体が奥行きに折り重なるポーズには、どれにも同じ順番で入っていけます。
この記事で出したのは、大きさの順番と、かかとの形の2つです。 その差を実際にどう測って線にするか、手を動かしながらの判断まで見たくなったら、
『即効上達!難ポーズ完全攻略の極意』
(講師: 五七翔二)が続きの入り口です。 モデル写真に線を引きながらポーズを攻略していく実演と、受講者が提出した課題への講評が入った約2時間のアーカイブです。
引用の出典は『即効上達!難ポーズ完全攻略の極意』(講師: 五七翔二)です。 講座の題材は寝っ転がるポーズと腰をひねるポーズで、しゃがむポーズへの当てはめはPOSEMANIACS編集部の整理です。