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キャラデザは「性格」と「シルエット」と「密度」に注目! 『キャラクターを深掘りする』

キャラデザは「性格」と「シルエット」と「密度」に注目! 『キャラクターを深掘りする』

本記事は書籍『さいとうなおきの超もったいない!イラスト添削講座』の抜粋記事です。
イラストレーターのさいとうなおき先生が「キャラクター」の視点で添削し「イラストを上達させるテクニック」を解説したいくつかのページををご提供いただきました。


お悩み相談1: キャラクターデザインに自信がない

相談内容: タイトルは『夜の和の国』です。普段は二次創作のキャライラストしか描きませんが、今回は背景ありの一枚絵に挑戦。オリジナルデザインに慣れていないので、キャラクターデザインを細かいところまで見てもらいたいです。(P.N.かずたろうさん)

BEFORE

P.N. かずたろうさん

GOOD!

  1. キャラがかっこいい!: 赤で統一された色合い、剣やきつねのお面といった小物も魅力的。闇に怪しく光る目も引きつけられます。
  2. 素晴らしいチャレンジ精神: 普段と違うものに挑戦して、ここまで描けているのがとてもすごいな、と感じました。
  3. 奥行きの表現はバッチリ:ぼかしを入れて、手前と奥のライティングを変えるなどの工夫ができていますね。

NOBISHIRO

  1. 背景とキャラどちらを見せたいのか不明: 背景とキャラのどちらに重きを置きたいのか、どっちつかずという点が気になります。
  2. 視線の集まる場所にキャラがいない: 三分割法で一番目立つ場所にあるのが月。かっこいいキャラクターがいるのに、もったいない!

キャラデザは「性格」と「シルエット」と「密度」に注目!

AFTER

【気まぐれ添削88】より
  1. 建物全体を左へ移動。顔の背景には、情報量が少ない部分がくるように調整
  2. 建物の窓の灯りと外壁のコントラストが大きくて目につくので、明度を下げる
  3. あえてキャラクターの周囲だけ光で背景を飛ばすと、シルエットが際立ってかっこいい
  4. キャラクターを拡大して目立つ場所に顔を配置

POINT1 「シルエット」で性格を表現する

キャラクターデザインでまず考えなくてはならないことが、シルエット。このキャラクターは刀を持った攻撃的な面がかっこいいなと思いましたので、そのキャラクター性が伝わるようにしましょう。曲面的(=やわらかいイメージ)なシルエットをトゲトゲ(=攻撃的なイメ—ジ)に変えることで、キャラクターの持つイメージをデザインで伝えることができるのです。

髪の形状: ツルッとなめらかな様子だった髪の毛を、ツンツンとした外はねの形に変更。また、頭の上に耳か角のようなイメージでツンとしたシルエットも追加。こういった尖った部分を追加すれば、攻撃的なニュアンスが増します。
身につけたものの形状: 装備品も、シルエットを作るための重要なアイテム。肩に装備した防具をツンツンしたデザインに変えると、より強そうな印象に。
服のシルエット: ソデをやわらかいイメージから、すっと直線的な形にすると、攻撃的なニュアンスが追加されます。また、長いすその部分はボロボロにすると、シルエットがユニークな形になり、戦闘に強そうなイメージも強調できました。

POINT2 「密度」を上げることで見栄えがよくなる

キャラクターデザインでもうひとつ大事な要素として、密度があります。顔や装飾の密度が低いと、どこか物足りないデザインになってしまうことも。特に、一番見てほしい顔やそのまわりは描き込み具合をもう1段階上げると、よりキャラが引き立ちます

顔の密度: キャラクターの顔は、目や口元の密度をアップ。特に細かいまつ毛を追加することでも魅力がアップします。
顔まわりの密度: きつねのお面に、さらに模様を描き加えます。
小物の密度: 顔の密度を上げた分、他の部分も見劣りしないように描写を追加したほうがデザインの見栄えがします。例えば、帯締めに、タッセル風の飾りを追加するなどの工夫を。
服と剣の模様の密度: 剣と服に入った模様は、線が細いことで印象が弱くなってしまっています。繊細さを表現したいわけではないと思うので、どちらの模様も太くして、より迫力のある雰囲気に。

以上、『さいとうなおきの超もったいない!イラスト添削講座』(著:さいとうなおき)の抜粋記事でした。 Amazonなどで絶賛発売中です。
さいとうなおきの超もったいない!イラスト添削講座 by さいとうなおき