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人体は1日で上手くなれる: DAY2-4『ポージング練習で「発見」を得よう』

人体は1日で上手くなれる: DAY2-4『ポージング練習で「発見」を得よう』

本記事は書籍『7日間で上達! さいとうなおき式お絵描きドリル』の抜粋記事です。
イラストレーターのさいとうなおき先生が編み出した、絵の上達のためのマインドについて、ポージングを解説しているDAY2をご提供いただきました。


人体を描く練習法は様々ですが、ここでは1日で上達できる必勝のテクニックを教えちゃいます。ここでもあなたの「発見」が大事になります!

「3日間上達法」を1日で行う

 僕はYouTubeにて「【超有料級】イラストが3日で上達する方法」という動画を上げています。これは、簡単に言えば「ポージングをただひたすらたくさん描く練習法」です。

 1日目は全身イラストを描く、2日目前半に一連の動きを描く、後半にフィギュアをいろいろな角度から描く、3日目に1日目の絵をもう一度描く。これが一連の流れになります。ですが実はこれ、ぎゅっと圧縮して1日で行っても十分効果があるんです。

 ポージングを描くことなんていつもやってるけど、何が違うの?と思う方もいるかもしれません。ですが、この練習法を行うとはっきりと「発見」があり、自分のイラストがどんどん上手になっていることが実感できます

 下に1日のスケジュールをまとめましたので参考にしてください。これに従って、あなたも発見をしにいきましょう!

一連の練習で「発見」が生まれる

 下記のような流れでポージングのラフを描くことで、なぜ発見をすることができるのでしょうか。それは、午前中に描いた絵と、練習を重ねて立体感のコツを知ってから描いた絵を比較できるから。

 一連の動作を繋げて描いたことで分かる「腕や脚がどう動いたらどんな風な印象になるのか」という感覚や、フィギュアをモデルに描いたことで身につく「三次元的な認識」が自分の中にあることで、同じ絵を描いても全く違う印象になります。そして、その「印象の違いは何が理由なのか」と考えることが、あなたの「発見」に繋がるのです

 その発見は、ぜひbefore / afterの絵の横にメモとして残しておいてください。せっかくの発見を忘れてしまってはもったいないので、形に残してたびたび見返すことで自分の中に取り込んでいくことができるでしょう。

  1. 午前: 全身の立ち絵を1枚描く
  2. 午後1: 一連の動作を描く→身体の動きで印象を理解する
  3. 午後2: フィギュアで再現して描く→三次元的な理解が深まる
  4. 夜: 同じポーズでもう一度描く
午前: 全身の立ち絵を1枚描く
午後1: 一連の動作を描く→身体の動きで印象を理解する
午後2: フィギュアで再現して描く→三次元的な理解が深まる
夜: 同じポーズでもう一度描く

午前 : 己の今の実力の立ち絵を描く

 ここからは、より具体的に各パートの説明をしていきます。まずは、自分が描きたいと思うキャラクターの全身の立ち絵を描きましょう。テーマやジャンルは問いません。

 ここではトリミングなどは行わず、とにかく全身を描くことで自分の苦手な部分を認識するのがポイントです。「平面的に見える……」「ポーズがかっこよく決まらない……」など、上手く描けずに辛いと思うかもしれませんが、ここは辛抱です。

午後1 : 連続するポーズを描く

 午後にはまず、アクションポーズ集などを見ながら、ポージングを描く練習をしていきます。大事なのは、「ジャンプする」「飛び蹴りをする」など、一連の動作を並べて描いていくこと。体のどのパーツがどのように動くと、どんな風に印象が変わっていくのか知ることが目的です。ワイヤーフレームを描くことで、どういう立体を描いているのかが意識できるため、練習の効果は何倍にも高まります。いきなりポーズは難しいという人は、下図のように棒人間から動作を描いていきましょう。

ワイヤーフレームを描いて立体感を意識!
連続するポーズ
棒人間バージョン
棒人間で描いた後、logic03のように肉付けしていきましょう!

午後2 : フィギュアをいろいろな角度から描く

後半は描いたアクションポーズの中からお気に入りのポーズを可動フィギュアに取らせ、それを様々な角度から描いてみます。午後1の練習で培ったかっこいい動きや立体感のイメージを、より三次元的に捉えていきましょう。これにより、角度をより立体的に理解し、その表現方法を自分の中で整理することができます。ここでは緻密に描き込むよりは、全体のシルエット、比率、ワイヤーフレームを描くことで立体感を意識することを大事にしてください。ただし、この練習でトレースは禁止です。トレースに観察力は必要ないので、全く意味のない作業になってしまうので注意してください。

夜 : 朝の絵をもう一度描く

 最後は午前中に描いた絵を、同じ構図・ポーズでもう一度描いてみましょう。それによって、最初は分からなかった問題点や解決策を同時に導き出すことができます。ポイントは一連の動きを描くことで得たかっこいいイメージや、フィギュアで培った立体感覚を活用すること。立体、傾き、比率を意識するだけで、より奥行きを感じるようになったはずです。これだけで絵に含まれる情報量が飛躍的にアップし、すごく上手に見えます。こうして得た発見を大事にしていきましょう。


以上、『7日間で上達! さいとうなおき式お絵かきドリル』(著:さいとうなおき)の抜粋記事でした。 Amazonなどで絶賛発売中です。
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